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名護市×オリオンビールの挑戦!名護でしか飲めない「75(名護)ビール」製造に込められた想いとは

2018/09/25

2018年10月6日(土)名護市で通年開催される人気イベント「第34回 やんばる産業祭り」で、名護市でしか飲めないビール「75(名護)ビール」が発表される。

75ビールは、名護十字路商店連合が名護に工場を構えるオリオンビール(株)製造部協力のもと「名護でしか飲めないビールをつくろう」という想いで、発足したプロジェクトだ。

開発・製造に至までの経緯や想いを、プロジェクト発足から今に至るまで進めてきたプロジェクトメンバーのリーダー陣3名にお話を伺ってきました。


【写真:左から上地さん(リーダー)/大城さん(サブリーダー)/神谷さん(ファシリテーター)】

プロジェクト発足のきっかけ

「名護のビールができたらいいね」そんな話は以前から、飲みの席で常に話題に上がっていたそうだ。

およそ2年ほど前、町おこしのイベントを実施した際に、街の意見を集約するアンケート調査を行ったところ「名護のイメージとしてどういうものが上げられますか?」という質問に対し「ビール」という回答がとても多かったという。

その時点では形にはならなかったが「いつか名護のビールができたらいいね」という気持ちが、この頃からメンバーの中に芽生えていたのだ。

そんな願望がありつつ「いつかできればいいね」が実現するきっかけとなったのは、まちおこしを目的としたクリスマスイベント「カリークリスマス」。

このイベントをきっかけにオリオンビールの方との関係性ができたことにより、名護のビールをつくりたいという話をしたところ、オリオンビール工場の見学に行くことに。

現在のプロジェクトメンバーでオリオンビール工場の見学に行ったところから、全ては始まった。


【提供:オリオンビール工場で仕込みの体験をした際の写真】

工場見学も終え、名護ビールの開発に想いが強くなる一方で、その想いの強さから開発スタートに至るまで、なんと1年近くブレストが長引いてしまったそうだ。

そんな中、今回プロジェクトのファシリテーター役を務める神谷康弘(かみややすひろ)さんによる具体策のプレゼンにより、多岐に渡ったブレストから実際に動き出すまでに至ったという。

「皆名護を活性化したいという気持ちは同じだから、話はずっとしてたんですよ。ただブレストが1年近く長引いて、なかなか動き出すところまでいかなかった。だから『こういう風にやったらうまく行くのでは』という案を資料に起こし、そのために必要な人材や人員配置、スケジュールを提案しに行きました。そこからは、早かったですね」

お金がないからタイミングが大事!何としてでも産業祭りに間に合わせたかった

神谷さんプレゼンにより、正式にプロジェクトが決定。決まったスケジュールは誰が見ても“やるならこのスケジュールでやるけどついてこれるか”という挑戦状のような話だったようだ。

「とにかくこのプロジェクトにはお金がなかったんです」

なんと0円でスタートしたというこのプロジェクト。お金がない中でできるだけ広範囲に広める手段としては、名護市の一大イベントである産業祭りでリリースするのが一番と考えた。「何としてでも産業祭りに間に合わせたかった」と3人は口を揃えた。

神谷さんのプレゼン日時は2018年3月28日の16時7分。産業祭りの10月6日に合わせたというと、通常1〜2年程度かかるビールの開発をおよそ半年ほどで実現したということになるから驚きだ。

実はこの取材日当日、まだ完成品は誰も飲んだことがなかった。6日発売なのに4日に完成するそうで「早く飲みたいよね〜」と、笑う3人を見て、ぎりぎりまでこだわり抜いて創られたということが伝わった。

こだわったのは、名護らしさではなく「ビールの味」

開発にあたり、一番こだわったのは「味」なのだそう。

名護でしか飲めないビールという名目だけあって、「変わったビールにしよう」「県産食材とか入れた方がいいんじゃない?」という案も出たが、出した答えは「そういうのじゃない」。

「今ある特産をどうこうするのではなく、新しい名護の特産をつくろうよ」ということで全員が一致。完全に美味しいビールをつくるということだけに、全員が本気になったのだ。

それからは「美味しいビール」をとことん追求。”今までにないオリオンビール”を目指し「遊びじゃないよ!真剣に飲もう!」と声を掛け合いながら各メーカーのビールを飲みまくり、麦やホップ、酵母などを研究しデータをつくり続けたのだそうだ。

研究を重ね、美味しいビールを4種類作成後に試飲会を開き、意見を募ることで、4種類のビールのいいところをミックスさせた商品が「75(名護)ビール」となる(まだ誰も飲んではいない)。

とことん名護市の発展にこだわったからこそ、美味しさを追求するという結論に至ったのだと感じた。3人から感じたのは、新しいビールの開発を楽しむというものではなく、名護市にたくさんの人が訪れて欲しい、シャッター街となった名護市をどうにかしたいという強い想いだった。

できたてのオリオンビールが飲めるのは名護だけ。合言葉は「ビールで名護おこし」

通常オリオンビールは、名護市から本社の浦添市に運ばれた後、各店舗に代理店を通して出荷されるが、工場のある名護市では、直送のできたて生ビールを飲むことができる。私もできたて生ビールを飲ませてもらったが、できたてはこれほどまでに美味しいのかと驚いた。

そんなビールが美味しい街で、これまでにない美味しいビールをつくることは「街おこしならぬ”名護おこし”」だと話してくれた。

「名護は通り過ぎる街。そうじゃなくて、沖縄美ら海水族館に行った後、名護に立ち寄って海を見ながら美味しい生ビールを飲んで行って欲しい。そういう意味でも、”正真正銘うまいビール”である必要があった。」と、リーダーの上地安郎(うえちやすお)さんは語った。

誰も反対しなかった。たくさんの人の協力で完成した名護市全体の夢

スケジュール面での大変さはあったものの「ビールで名護おこし」という“ビールで名護市を活性化したい”という想いに多くの名護市民が共感し、協力した。

市長さんや区民の方の協力で、資金0円にも関わらず名護市内全家庭へのチラシ配布に成功。それだけではなく、あらゆる方から「あそこにもチラシを置いていいか」「いつ飲めるの?」など、75ビール誕生に向け、様々な方からの期待と応援の声があったという。

各スポンサーはもちろんクラウドファンティングでもたくさんの方から支援があったり、開発にあたり実施したアンケートには「名護市民として自慢ができる」「頑張れ」「楽しみ」などと、たくさん励ましの言葉が届けられた。

また、75(名護)ビールのラベルデザインも一般公募から選び抜かれたものだ。名護湾がモチーフになっているこのデザインからも、名護市への愛が感じられた。

最後に

75(名護)ビールは、名護でしか飲めない、名護で飲むからこそ美味い、そんなビールとして誕生するだろう。

最後にリーダーの上地さんより、これを読んでいる皆さまに伝えたいことを聞いてきた。

「是非、名護に飲みにきてください!」


【公式サイト】
https://kanutancafe.wixsite.com/nagobeer

編集部 - 2018/09/25