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「目の前のお客様に真剣じゃない社員は怒る」プロフェッショナルを育成し、繁盛店を営む株式会社トランク野間社長が店舗展開を続ける理由とは

2019年04月15日

「目の前のお客様に真剣じゃない社員は怒る」プロフェッショナルを育成し、繁盛店を営む株式会社トランク野間社長が、店舗展開を続ける理由とは

「Casa Trunq ~洋食堂、ワインと檸檬~」「ニカイゴハン」など、ユニークなネーミングとこだわりのサービスでお客様を楽しませる飲食店や、“旨いチーズケーキを極める。ただそれを目指す”というシンプルなコンセプトのチーズケーキ専門店を次々と仕掛ける、株式会社トランク。

株式会社トランクは「Trunq」と表記されている。木の幹の芯、根幹という意味を持つ「Trunk」に、“unique(ユニーク)”、“quality(クオリティ)”の「Q」をプラスしたものだ。木の幹の芯のように地域に根付き、なくてはならない存在になる。そしてそれぞれの「Q」を付加価値として持たせることにより、初めて必要とされる存在になるという考えである。

そのコンセプトの通り、安定の品質とサービス、コスパで地域の人から愛されるトランクは、2019年4月には3店舗同時オープンを予定している。クオリティを担保しつつ、新店舗を続々とオープンさせるという勢いはどこから来るのだろうか?代表取締役社長である「野間 謙策(のま けんさく)」さんに話を伺ってきた。

株式会社トランクが、どんどん規模拡大を図る理由

株式会社トランクが、どんどん規模拡大を図る理由

「4月には、3店舗オープンを予定しているんですよ。」

取材に行ったタイミングでオープン予定を打ち明けられた。

イタリアンレストラン3店舗、チーズケーキ専門店を6店舗構えている現状が既にすごいので、経営について取材しようと訪れたのだが、なんと取材日1か月後には3店舗新しい形態のお店を3店舗出店するのだという。

イタリアンレストラン3店舗においては、ご存知の方も多いだろうが、筆者も予約が取れない経験を何度かしたほどの人気店であり、チーズケーキ専門店に至っても手土産に渡すと必ず喜ばれるほどのクオリティを維持している。それでもまだなお、新しい店舗展開を続ける野間さんには、一体どんな野望があるのだろうか。

野間さん「単純に、今いる店長たちの給料を上げたいんです。僕は沖縄に来る前は東京で飲食の仕事をしていたんですけど、沖縄に来て、外食産業の社会的地位みたいなものが低いなと感じました。沖縄には前職の転勤で来たんですけど、ここで飲食をやることになってからは、沖縄県内で外食産業の地位を上げたいと思ってここまできました。」

野間さん「単純に、今いる店長たちの給料を上げたいんです。僕は沖縄に来る前は東京で飲食の仕事をしていたんですけど、沖縄に来て、外食産業の社会的地位みたいなものが低いなと感じました。沖縄には前職の転勤で来たんですけど、ここで飲食をやることになってからは、沖縄県内で外食産業の地位を上げたいと思ってここまできました。」

野間さんは開業を決めた後、様々な店舗を視察した際に、給料面や待遇面、そして沖縄の飲食業自体のレベルなど、あらゆる面で違和感を感じたという。飲食店経営を決めた最初の店舗で働きながら「僕が違うところに店を出して、店長が少しでもいい給料に出来たらいいな」と考えた野間さんは、2店舗目を出店したのだそうだ。そこで、当時の店長の給料をかなり引き上げることに成功したのだそう。

“もっと働いている人たちのステータスを上げたい。”そう思った野間さんは、店舗を展開することで、今いる責任者の給料を底上げし、社員の人生が豊かになることを目指しているという。

野間さん「とにかく自分の周りにいる人たちを幸せにしたいんです。仕事だけじゃなく、プライベートも充実して欲しい。例えば今まで50円のものしか買えなかったのなら、うちで働くことによって100円出せるようになって欲しいんです。周りの人を幸せにする手段として、店舗展開を行っています。」

野間さんは、今の外食産業の市場推移は“くだりのエスカレーター”だと言う。
昇りのエスカレーターのように立っているだけで上に流れ着くわけではなく、トライ&エラーを繰り返し、一生懸命走らないと下りのエスカレーターで上に上がることはできない。

だからこそ、じっと立って、エスカレーターが下がっているのを見ていることはしたくない。その想いが、野間さんの勢いを作り出しているのだ。

ー下りのエスカレーターでも外食産業にこだわりたい理由は何ですか?

野間さん「こんなにお客様に感想をもらえる仕事は他にないと思っています。お客様から『ありがとう』って言ってもらえるんですよ。お金をもらっているのは僕たちの方なのに(笑)。そんなに有難い仕事は他にないと思うんです。あと、僕は飲食業に心から誇りを持っているんです。社員にも『僕たちは大手企業にも入れたんだ。けど自分たちは好きで、選んで飲食店を選んだんだ。』ということを言っています。」

[写真:ワイン食堂トランク ニカイゴハン 新都心店]
[写真:ワイン食堂トランク ニカイゴハン 新都心店]

「自分たちのやっていることに誇りを持ち、きちんと“プロ”の仕事をすることで、外食産業はすげぇんだぞ、というのを世のビジネスマンに伝えたいんです。」そう語ってくれた野間さんは、ただ展開して規模を拡大していくではなく、しっかりと人を育て、人にも食材にもこだわった店舗展開をしていきたいという。

野間さん「僕は結構社員に対して毒舌を吐くときがあるんです。仕事の内容というより、お客様に対して真剣じゃないと怒ります。例えば目の前にアツアツのご飯があったとして、それと同時に向こう側でスプーンを落としてしまったお客様がいたとする。その時に、アツアツのご飯を早くお客様の元に届けることか、落としてしまったスプーンをお客様に拾わせないことを優先するか迷ったとき、どちらを選んでも自分が考えて出した答えならいいと思うんですけど、そこでポカンとしていたら、すごく怒ります。」

働く人ひとりひとりが、お客様をもてなす志がないと中途半端な店になってしまう。そんな店にはお客様を呼ぶ価値がない、お客様を迎える権利がないのだと野間さんは語る。

野間さん「社員ひとりひとりが一生懸命ぶつかり合いながら、お互いに研磨しあっていって欲しいと思っています。だから、多少のミスや失敗は次から気を付ければいいと思っているんですけど、思考停止になったりお客様を舐めていたら怒ります。酔っ払いだから、女性だから、男性だからとか。あとお客様だけじゃなくて、後輩に対してもそう。店長が新人に対して『今言っても分からないだろうな』と諦めて、人の可能性を信じずに見て見ぬふりをした時も怒りますね。」

野間さん「社員ひとりひとりが一生懸命ぶつかり合いながら、お互いに研磨しあっていって欲しいと思っています。だから、多少のミスや失敗は次から気を付ければいいと思っているんですけど、思考停止になったりお客様を舐めていたら怒ります。酔っ払いだから、女性だから、男性だからとか。あとお客様だけじゃなくて、後輩に対してもそう。店長が新人に対して『今言っても分からないだろうな』と諦めて、人の可能性を信じずに見て見ぬふりをした時も怒りますね。」

人を相手にする仕事においては正解がないことも多い。そんな中で「自分の頭で考えて、自分で決めたことは責任を持ってやり遂げること」の大切さを仕事を通して学ぶことができるのは財産だ。学校では教えてくれない、とても大切なことだ。

人と食材、サービスなど一切を妥協せず店舗を展開する株式会社トランク。気になる新店舗はどのようなお店なのだろうか。

4月オープンの新店舗とは?

[写真:“がぶ飲みイタリアン”ワイン食堂トランク久茂地店]
[写真:“がぶ飲みイタリアン”ワイン食堂トランク久茂地店]

ここからは、4月にオープン予定の店舗について紹介する。

▼プレスリリースはこちら
https://www.trunq.jp/newsrelease/2019/1180

◆焼き菓子専門店「Sugar 沖縄焼菓子研究所」那覇空港店

4月18日(木)に、沖縄の農作物や海産物など、県産品を使用した焼き菓子専門店をオープン(予定)。食材だけでなく、生産者にもこだわった焼き菓子を開発中なのだそうだ。また、包装にもこだわりがあり、ジュエリーボックスのような箱で包むことで、焼き菓子を宝石に見立てて並べることを予定している。

◆焼き菓子専門店「Sugar 沖縄焼菓子研究所」&「檸檬とスパイス フレンチトースト」イオンモール沖縄ライカム店

イオンモールライカム内に、4月26日(金)オープンするのが、上記と同じく焼き菓子専門店「Sugar 沖縄焼菓子研究所」と、「檸檬とスパイス フレンチトースト」だ。

「Sugar沖縄焼菓子研究所」イオンモール沖縄ライカム店
https://sugar-okinawa.com/

「檸檬とスパイス フレンチトースト」イオンモール沖縄ライカム店
https://lemon-spice.com/

「檸檬とスパイス フレンチトースト」では、広島県産の烏山(からすやま)さんが育てたこだわりのレモンを使用した、カーサトランクでも人気メニューの「レモネード」を提供。それに加え、数種類のスパイスを配合し、独自の製法でつくり上げた絶品「フレンチトースト」を提供するお店になる予定なのだそうだ。

それぞれの店舗を展開するにあたり、野間さんは特に「生産者」にこだわって食材を選んでいるという。店舗を展開していく中で、常に「本当にいいものって何だろう」を追求し続けるのが、トランクのスタイルだ。

野間さん「お客様の口に入れるものをつくっているので、とことん丁寧に考えたいんです。出来る限り自然のもの、オーガニックであること、そして生産者の魂がこもっていること、それらを妥協せず突き詰めた商品を提供できれば、こんなに幸せなことはないんじゃないか、と思うんですよ。」

(実際に飲ませてもらったレモネード。自然の甘みとレモンの香り、さっぱりしたほどよい酸味は、湿度の高い沖縄にぴったり。)

実際にレモネードを飲ませてもらった。自然の甘みとレモンの香り、さっぱりしたほどよい酸味は、湿度の高い沖縄にぴったりだ。

チーズケーキ専門店「プーゾチーズケーキセラー」で培ったノウハウを活かしつつ、大手ではできないような小回りの利く運営をしたいと野間さんは言った。生産者を探すところから始め、商品開発に真剣に向き合い、「本当にいいものって何だろう」を追求した結果、誕生するもの。美味しくないわけがない。

こだわりが詰まった株式会社トランクの新店舗に、是非足を運んでみてはいかがだろう。


◆株式会社トランク公式サイト
https://www.trunq.jp/

三好 優実 - 2019/04/15