TOPIT東京でのWEBマーケティングの経験を活かしたい。「okinawa.io」がインターネットを通じて実現したい沖縄の未来。
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東京でのWEBマーケティングの経験を活かしたい。「okinawa.io」がインターネットを通じて実現したい沖縄の未来。

 琉球ジャーナル urumee Inc.

2016年05月17日

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 琉球ジャーナルをご覧になっているみなさま、はじめまして。okinawa.io(オキナワアイオーと読みます)の金城と申します。okinawa.ioは県内外の企業を対象にWEBマーケティングの支援を行っている、2016年3月にスタートしたばかりの小さい会社です。タイトルにもある通り、私はずっと東京で活動をしていて沖縄に戻ってきたばかりのタイミングですが、縁あって記事を寄稿させて頂くことになりました。

 琉球ジャーナルは「沖縄の経済情報に特化したメディア」ということで、今回はなぜ沖縄で会社を創るにいたったのか、そしてこれから沖縄にどんな切り口でビジネスインパクトを与えていきたいかについて、この場を借りてご紹介したいと思います。

 

BASEを通じて見えてきた個人クリエイターがもつ可能性

 

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 「いつかは沖縄に貢献する活動がしたい」このような想いを持っている沖縄出身の人は多いかと思いますが、私もその中の一人でした。そうは言っても沖縄に戻るのは東京か海外で大きな成果を出した後で40代くらいかなと漠然とイメージしていたので、まさか20代で戻るとは少し前までは全く考えていませんでした。

 なぜ28歳の今にして10年住んだ東京を離れ、沖縄に戻ってきたのか?その理由は「沖縄で活躍するクリエイターの魅力を世の中に発信する仕組みを作り、沖縄に訪れる人を増やしたい」という想いです。クリエイターと言っても様々で、モノづくりをはじめ、飲食、アパレル、農業、音楽、アート、スポーツなど色んな分野がありますが、いづれにおいても自身が熱狂できることに取り組んでいる人たちを指します。

 ユニークなことに情熱をもって取り組んでいる県内のクリエイターにフォーカスを当てることで、沖縄の観光産業に貢献したいと考えているのです。美ら海水族館や首里城だけでなく個性的なお店や人を求めて足を運ぶ観光客を増やし「移動する人」をもっと増やしたいという想いが私にはあります。

 スモールビジネスオーナーや個人のクリエイターがもつ大きな可能性を知るようになったのは沖縄に戻る直前まで働いていた「BASE」での経験です。3人目の社員として参画し、今では25万人ものECサイト運営者に選ばれるまで急成長した国内最大規模のネットショップ作成サービスです。BASEでは強い想いをもって、モノづくりを行っているたくさんのブランドオーナーの方々と出会うことができました。

 1時間千円で自身の時間を販売するおじさんや、京都の地域おこし活動に取り組みつつこだわりのコーヒー豆を販売するご夫婦、子育てをしながらドリームキャッチャーの制作やワークショップされる主婦、お仕事の傍らイベントにも出店し素敵なスリッパを販売されている方など、個人での活動でありながらもしっかりと売上をたてている方々とインタビュー、セミナー、イベントなどを通してコミュニケーションをとってきました。

 彼らは組織に属さずともスマホとソーシャルメディアを駆使して、自分の価値観やストーリーを発信し、日本中にファンを作り出しています。そのような人々がBASEの利用者だけをみても何万人以上といるのです。テクノロジーの普及も相まってこれからの世の中は、大手資本の企業やブランドではなく、このような強い想いをもって動いている「個人」が新しいムーブメントを作り出していくと強く感じるに至りました。

 そういう人々の持つ価値をインターネットの力でより広く深く伝えていきたいのはもちろん、共感した人が実際に足を運び商品を手に取ったり会いにきてくれる仕組みを、ここ沖縄から作りあげたいと考えています。

 「移動距離とアイデアは比例する」という私の好きな言葉があるのですが、移動するだけでなく強い価値観をもっている人とも繋がることで、イマジネーションと共に人生の可能性も広がると思うのです。

 

沖縄で独立して見えてきたWEB業界の課題

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 沖縄で独立して1ヶ月ちょっと、沖縄ではWEB業界の繋がりも全くなくゼロからのスタートでしたが、この琉球ジャーナルを運営するhaisさんなど多くの方々のサポートなどもあり楽しく目標に向かって動くことができています。

 今ではWEBメディアの運用やCtoCサービスのリニューアルなど、東京での経験を活かせる案件を任せて頂けていますが、まだまだ県内企業のWEBのリテラシーは高いとはいえない現状です。その理由としては大きく3つあると考えています。

 

1.まだまだ大きいマスメディアの存在感

 沖縄ではテレビ、新聞、ラジオといったマスメディアの存在感がまだまだ強く、新しい施策や広告出稿と言えばマスメディア優先で考える発想がまだ根強くあると感じています。

 本来であればマスメディアと同じくらいの接触時間があるインターネットも含め、フラットに目的達成に繋がる手段を考えるべきです。しかし決裁権をもっている方、企業の担当者の方もインターネットの活用手段がわからないばかりに従来通りの手法に頼ってしまっている傾向を感じます。

 

2.WEBのノウハウを持つ人材の不足

 サイバーエージェント、セプテーニ、オプトなど東京であればWEB専業の広告代理店は多く存在します。その営業担当者たちが広告出稿の提案も兼ねて企業の担当者を教育していくことで、クライアント企業内のWEBリテラシーも向上していく循環があります。

 しかし沖縄ではまだマスメディアを中心に扱う総合広告代理店の力や繋がりが強く、県内企業もWEBに多くの予算をもたないため、どうしても既存の「枠」のプランニングが中心となってしまいます。

 もはやテレビに迫る規模にまで成長しているインターネット広告市場、情報の移り変わりが早い分野でもありますので、時流をキャッチアップした効果的なプランニング等が求められます。これまでの売上のほとんどが既存のマスメディアである代理店に、WEBのソリューション提案を求めるのは難しいと言わざるえないでしょう。

 

3.疲弊しつつあるWEB制作会社

 一方、WEBの制作会社は多くあり、私もいくつかの制作会社の方々とお話をさせていただきました。素晴らしいものを作ろうと尽力されているのですが、クライアント側のノウハウ不足や既存メディアの優先体制などもあり充分な予算が降りてこないことも多々あるそうです。

 また、とある会社ではテンプレートを使い回し破格の価格でサイト制作を請け負うなどして、業界における制作費の基準を下げてしまう動きもあるそうです。スマホ対応されていないサイトも多く、「チラシの延長線上という認識なのではないか?」と感じてしまうようなWEBサイトも県内大手企業に見受けられる状態です。県内企業にとってインターネットの地位が向上していないばかりに、不毛な価格競争に陥っている可能性もありえます。

 もちろんインターネットが全てではありませんが、人々の生活がデジタルに大きくシフトしている中、この分野にまだ充分に投資をできていない状況には多少なりとも焦りを感じずにはいられません。

 この業界の流れを改善するには、誰もが真似したくなる圧倒的なWEB活用の成功事例を作ることだと思っています。ちょうど今担当している案件で、そのようなインパクトを生み出すことが可能だと感じており、実績をしっかり生み出していくことがまず私にできる貢献への第一歩です。これから様々な課題が待ち受けているでしょうが、インターネットが持つ可能性を一つのでも多くの県内企業に気付いてもらうためやるべきことに全力で取り組んでいきたいと思います。

 

沖縄の経済に与えたいインパクト

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 また、もう一つ感じている課題は沖縄のIT産業における下請け体質の問題です。製造業が発展してこなかった沖縄では観光産業と並んで、ICTと言われる情報通信産業にも力を入れており、多くの助成金を投入しています。しかし、実態はコールセンターやデータ入力、ソフトウェア開発ピラミッド構造の最下層に位置する受託のシステム開発の案件ばかりで、こちらも疲弊してしまう構造となっており、より自立的能動的なサービス体質への改善が求められます。

 サイト制作を含めたWEBマーケティング領域だけではなく、より技術力を求められるテクノロジーの分野でも東京や福岡などの都市に何周も遅れをとっていると言わざるえません。情報産業に力を入れているといいながらも、助成金を狙った県外企業の進出ばかりで受動的な業務が多い今の状況は、県内でインターネットの価値が十二分に活かされていとはいえないでしょう。クリエイティブであり、イノベイティブでもあるインターネットの価値をもっと能動的に活用していく必要があります。

 沖縄タイムスのこちらの記事でもその問題は指摘されており、株式会社オーシーシー経営企画推進室長の兼村氏は以下のように述べられています。

 

 ”受託型企業の内情として、新しい商材となる製品やサービスを創出するための開発要員の確保以前に、そもそもビジネスモデルを立案(製品企画・マーケティング)できる人材が社内にいない。(中略)市場にどのような形で販売して収益を上げるか、といったビジネス全体をデザインするプロデューサー的役割を担う人材が求められる。”

 

 まさにokinawa.ioを通して作り出していきたい価値はここにあります。まずは県内企業の課題解決に取り組み、インターネットの可能性に気付いてもらうことが最初のフェーズとしたら、次は県内のスモールビジネスオーナーなどクリエイターの魅力を世界に発信するビジネスモデルを伴う自社サービスを生み出したいと考えています。

 「Payke」が沖縄発の若手スタートアップとして期待されているように、okinawa.ioでもクリエイターの集客課題を解決するサービスを持ってして人が移動する仕組みを作り、沖縄の経済にインパクトを与えるべくアクションを続けていく予定です。

 観光と情報という沖縄を支える2つの産業をインターネットを通じてより活性化させ、基地に依存している沖縄経済にもっとワクワクするビジョンを示していきたいと考えています。

 向かう先は課題だらけかもしれませんが、その分大きな可能性に溢れています。少しづつ、着実に前に進んでいきます。

 

琉球ジャーナル urumee Inc. - 2016/05/17