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沖縄から世界へ !女子サッカークラブ琉球DEIGOS(デイゴス)の挑戦 (後編)

2016年11月19日

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琉球DEIGOS(以下:デイゴス)は、沖縄県に所在する女子サッカークラブである。20147月にチームが発足。2015シーズンは沖縄県勢初の皇后杯全日本女子サッカー選手権大会出場を果たし、2016年シーズンから九州女子サッカー2部リーグ参入している。今回は、ベテランとしてチームを支える久志美野選手(写真左)と、現役の大学生でもある平安山瑠衣選手(写真右)にお話を伺った。

 (前編はこちら)

 

「琉球デイゴス」は選手として上を目指せる女子サッカーチーム(久志選手)kushi

インタビュアー城間(以下:城間)
今日は、どうぞよろしくお願いいたします。
早速ですが、サッカーをするに当たって、琉球デイゴスを選んだ理由について教えてください。

 

背番号7・FW/久志美野選手(以下:久志)
「琉球デイゴス」は選手として上を目指せる女子サッカーチームという事と、私自身が高校生の時に沖縄でサッカーを始めて、今の自分があるのはそのお陰なので、沖縄に恩返しをしたくて入団しました。

 

城間
高校生から始めてプロになられたんですね!デイゴスはどんなチームですか?

 

久志
発足してまだ新しく、これからのチームなので成長する姿が見応えのあるチームだと思います。また、一人一人がどんどんアピールしていかないと強くならないと思います。将来的には、なでしこリーグで戦えるチームにしたいですね。また、県外で女子サッカーを続けている地元出身の選手たちが、沖縄に帰ってきた時にデイゴスでサッカーをしたいと思えるチームにしたいです。

 

城間
なでしこリーグで沖縄のチームが参入できると県民として嬉しいです。プレーについてもお聞きしたいのですが、久志選手の得意なプレーは?

 

久志
私はフォワードなので、裏に飛び出るプレーが得意ですね。

 

城間
2列目から点を取っていくような感じですね。生活とサッカーの両立は簡単なことではないと思いますが、つらいと思うのはどんな時ですか?

 

久志
仕事を終えてすぐに練習なので、体力的に辛いですね。練習を終えて帰ったら、明日の支度をして寝るという生活なのが辛いと思う時があります。経済的にもまだまだ自己負担の部分があってそこも楽ではないですね。

 

城間
それでも琉球デイゴスでプレーを続けていける理由はありますか?

 

久志
やっぱりサッカーが好きで、この歳になっても好きなサッカー続けさせてもらえる環境があるから、正直しんどいところもありますが、続けられますね。それに、応援してくれる人のために結果を残して頑張りたい。
 

城間
長く続けるということも、すごいことですね。久志選手はチーム最年長の選手ですが、どんなことを意識してチームを支えていますか?

 

久志
私がみんなに言って聞かせるというタイプではないので、「この歳でも練習も試合も全力でやれているんだよっ」ていう気持ちを自分なりに表現しているつもりなので、それを周りの選手に見てもらって、「私(久志選手)みたいに大好きなサッカーをやり続けていきたい」と思ってもらえるように心がけています。私もまだまだ若い子たちには負けたくないので、お互い刺激しあってチームを作っていけたらと思います。

 

城間
サッカーを通して、沖縄にはどう貢献したいと考えていますか?

 

久志
私がサッカーを続けていることで、若い子たちがサッカーを続けたいと思ってくれたり、サッカー人口が増えてくれたりしたら嬉しいですね。初めにも言いましたが、今の自分があるのは、沖縄にサッカーがあったからなので、やっぱり沖縄に恩返しをしたいという思いが強いです。

 

城間
逆に、沖縄でプレーしていてよかったことは?

 

久志
どこに行っても「頑張ってるねー」とか「応援してるよ」とか、応援の言葉をいただけるのが何より嬉しいです。

 

城間
沖縄も琉球デイゴスと久志選手を応援してるんですね。最後に、応援してくれる方に一言お願いします。

 

久志
まずは今の九州リーグ2部の試合を一戦一戦大事に戦って、なでしこリーグにいきたいと思う。そのために、怪我なく一年ずつ大事にプレーしたいです。試合では、ファンの方に期待をしてもらえるようなプレーをしたいです。勝つ試合をお見せしたいので、これからファンになる方も、ぜひ試合にもきていただけるとうれしいです。

 

沖縄代表としてなでしこリーグに行けるように頑張る(平安山選手)hennzan

城間
今日はよろしくお願いします。早速ですが、琉球デイゴスに入団した理由を教えていただけますか。

 

背番号15・DF/平安山瑠衣選手(以下:平安山)
もともと、高校でサッカーをしていて、大学に進学したらサッカーをするつもりはなかったのですが、現在、琉球デイゴスのキーパーコーチをしている喜納さんが私の高校のコーチでもあり、誘ってくれたことがきっかけですね。

 

城間
どうして大学でサッカーを続けようとは思わなかったんですか?

 

平安山
大学入学時には、女子サッカーチームが無かったんです。でも、心の中では続けたいと思っていたので琉球デイゴスに入団しました。そのおかげで高いレベルでサッカーを続けていられます。

 

城間
平安山選手が一番若い選手ですか?

 

平安山
トップチームではそうですね。私の他に、あと2人同じ年の選手がいます。

 

城間
そんな若い視点で見て、琉球デイゴスはどんなチームだと思いますか?

 

平安山
結構、幅広い年齢の選手がいるチームですね。本土から来ている選手も多いです。なので、いろいろなサッカーができるチームだと思います。チームにはいろいろな選手のプレーや考えが詰まっています。今、私が一番年下なので、先輩方から受ける影響も大きいし、勉強になります。もちろん、これだけいろいろな人がいても、すごく仲がいいのも特徴の一つです。

 

城間
やっぱり、いろいろな出身の選手がいると、サッカーも変わってきますか?

 

平安山
私は高校からサッカーを始め、今も地元に居るんですが、デイゴスではいろいろなところから人が集まってきて、もちろんレベルも違えば、サッカーの考え方もプレーも違いますね。

 

城間
面白いですね!そんなトップチームの中では、先輩方から学ぶところはどんなところですか?

 

平安山
去年までは、先発出場が多かったんですが、だんだんと年上の選手が入ってきて、出場機会が減っています。そんな中で、出られないからやめるとかではなくて、今後、この琉球デイゴスを背負っていくのは私の世代だから、先輩方のようにチームを盛り上げられるように学んでいます。

 

城間
同世代として、共感できるところがあります。平安山選手のプレーの持ち味はどんなところですか?

 

平安山
よく言われるのが、フィジカルですね。足も早い方なので。プレーとしては、フィジカルを生かして、サイドからのドリブル突破が得意です。

 

城間
力強いプレーが得意なんですね。少し話題はサッカーから離れますが、大学生活とサッカー選手の両立の中で、他の大学生と比べたり、自分自身の生活の中で、辛いと思うことはありますか?

 

平安山
他の大学生は、バイトをしてそのお金で好きなように遊んでいるのが、少し羨ましい時もありますね。(笑)でも、私はサッカーをしている時が自分らしいと思いますし、サッカーが何より楽しいので辛いというのはないです。でも、たまには旅行とか行きたいですけど(笑)。

 

城間
旅行は琉球デイゴスの遠征で我慢してください。(笑)社会人の選手と学生をしながらサッカーをしている立場を比べてみると、どう思いますか?

 

平安山
トップチームの中で、学生は私を含め3人だけ。あと2人の選手は、今年卒業します。来年からは学生は私だけです。みんなは仕事後の練習で、私は大学で授業を受けてからなので、まだ楽な方だと思います。父も兄もサッカーをしていたので、全力で応援してくれています。なので、いつか恩返しがしたいです。

 

城間
最後に、応援してくれている方にメッセージをお願いします。

 

平安山
琉球デイゴスは、家族やサポーターの方も含め、地域から支えてもらっているチームで、その期待に応えられるように、沖縄代表としてなでしこリーグに行けるように頑張っていきたいですね。応援してくださる方々の声援が、何よりも力になっているので、応援よろしくお願いします。

 

琉球DEIGOSとは:沖縄県に所在する女子サッカークラブ。20147月、沖縄県女子サッカークラブ琉球DEIGOSが発足。あっという間に県内で頭角を現し、2016年シーズンから九州女子サッカー2部リーグ参入することが決定。

◎詳細
・琉球DEIGOS(デイゴス)オフィシャルサイト:http://deigos.com/
・Facebookページ:https://www.facebook.com/ryukyudeigos/?fref=ts

インタビュー・文:城間勇之介

琉球ジャーナル urumee Inc. - 2016/11/19