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創造力とデジタルデバイスで世界を目指す、「株式会社Payke」とは?

2016年04月14日

Payke

「バーコード」。誰もが買い物をするとき目にするが、特に気にかける事はないだろう。「株式会社Payke」の古田奎輔CEOは若干20代ながらも、その「バーコード」の価値を見出し独自のビジネスモデルを構築。多言語化アプリ「Payke」で日本、そして世界の市場へと挑む。

「バーコードは宝の山」、新進気鋭のCEOが生み出したアプリ「Payke」。

Payke

 「Payke」というスマートフォンアプリをご存知だろうか? アプリを起動し、商品に付けられたバーコードを画面にかざすと、手に取った商品情報が日本語、中国語(繁体字、簡体字)、英語と多言語表記で表示されるというサービスだ。これでもし、海外旅行などで現地の言葉がわからなくても気軽に商品を買えてしまう、画期的なアプリだ。このサービスのターゲットは訪日外国人(ユーザー)、販売小売店(ショップ)、製造事業者(メーカー)だという。

 「個人事業(ECサイト運営)の頃から、仕事上バーコードを扱っていました。これ(バーコード)自体は流通管理用の単なる数字だけでそれ以外は何の情報もなく、中身は空っぽです。」

 「Payke」について、私たちに理路整然と語る古田CEO、落ち着いたトーンで実に明確な説明をする。20歳前半と若く、まだあどけない顔立ちをしているが、これまでの数多くのプレゼン経験で培われたものだろうと伺える。

 「でも、日本での認知度は100%でバーコードを知らない人はいない、しかも世界共通規格で、これ一つでとヨーロッパだろうが南米だろうがあらゆる場所で使える。あ、これを使わない手は無いなと。」

 「Payke」を立ち上げるまでにあたり、古田CEO自身の経歴についてもお聞きした。
東京都出身。中学あたりから学業に魅力を感じずPCやインターネットに没頭。高校入学するも卒業せずに、様々な放浪経験を経て大検受験に合格し、大学の入学をきっかけに沖縄へ移住したという。

 「元々、サラリーマンになるとか、公務員試験を受ける等の規定の人生をおくる発想がなくて、自分で何かビジネスをやること考えていました。在学中にも個人事業主としてECサイトを運営していて、海外の商品を仕入れ自分で調べてバーコート発行の手配をして、それを商品に貼って日本で販売していました。その頃からバーコードについての知識はありました。」

 バーコードについて補足すると、日本では1970年代から普及し、バーコードをPOSなどの専用端末でかざし、POSシステムのサーバーと連動して商品の在庫情報や販売の動向を管理するのが一般的な使われ方である。

 「バーコード自体には管理用の数字以外の情報は無いので、説明文や画像などの商品情報を紐付けする発想を思いつきました。で、色々考えて、誰がこの仕組みを欲しているか? まずはじめに訪日外国人観光客をメインターゲットにしようと考えました。」

 「Payke」アプリをダウンロードする事により、消費者(ユーザー)がこの商品がどういうもなのか、母国語で表示されているので安心して買い物出来る。小売店側(ショップ)は商品説明や多言語化する手間が省ける。他方、製造事業者(メーカー)は「Payke」と連動して最良の商品説明情報を入れ込み、販売促進につながる。しかも使用するデバイスは従来の専用POS端末ではなく、スマホやタブレットを使用するので、ユーザーが自ら操作できる。お手軽、かつユーザー自己完結型のサービスなのだ。

 2013年琉球大学にてベンチャー起業講座を受けた古田CEO。その翌年の2014年「Payke」のビジネスモデルを構想し同年10月にリリース。同年11月にビジネスパートナーと共に「株式会社Payke」を設立。会社設立から1年後の2015年12月に沖縄県産業振興公社の「沖縄県ベンチャー起業スタートアップ支援事業」に採択され、さらに2016年2月「九州山口ベンチャーアワーズ大賞」に選出された。Paykeへの期待の高さが感じられる。

「Payke」のサービス開始まで。ロゴマークに込めた思い。

Payke

 「起業したはいいけど、学生の身で何も知らないので苦労しました。会社の登記や契約書の作り方、決算書の締め方、名刺の渡し方すらも知らなくて。でも、周りの人には何かと可愛がってもらい、応援していただきました。」

 「Payke」のサービス開始は2015年10月から、会社設立より約1年後のことだ。それまでは営業活動をしていたという。

 「Paykeのローンチ(公開)まで営業をかけつつ、メーカーさんに商品データを貰っていました。今ではシステムがあるのでメーカーさん自身に商品データを入力してもらっていますが、当時は自分で入力していたので大変でした。商品数を考えるとゾッとします。

 また、システムが出来上がるまでは、自分の頭の中にあるイメージを資料に落とし込み、プレゼンしました。反応は抜群に良かったので、(システムが未完成でも)『ニーズは間違いなくある。』という自信はありましたね。ただ、クライアントさんにはローンチまで長らく待たせてしまったので申し訳なかったです。

 一般的には、営業をかけるには、まず商材ありきだ。それを先に営業からしてしまうというところが、いかにもベンチャーらしい。サービス開始して間も無いが、先に営業展開を行ったことが功を奏し、現時点では県内・県外問わず130社との取引があり、約一万もの商品情報があるという。取引先は全国的に展開している大手メーカーや、県内では那覇空港や大手おみやげ店などである。

 社名は〝pay(支払う)〟と〝take out(持ち帰る)〟をかけあわせてもの。ロゴマークは「ポケット」をモチーフにしたという。

 「『ドラえもん』のファンで、四次元ポケットから取り出す秘密道具について、もし自分だったらどう使うかを考えるのが好きでした。『Payke』でいうと『バーコード』が『四次元ポケット』なのかなと。バーコードをポータルにして、色々な情報を詰め込んでいきたいですね。また、色んな人達に創造力を働かせて『Payke』を使ってもらい、新しいニーズがあればそれに応えていきたいです。」

 「Payke」のメーカー向けアカウントには無料版と有料版があり、有料版は編集機能がついており、要望があればカスタマイズできる仕様となっている。ゆくゆくはバーコード上で動画なども見れるようにしたいという。

 「バーコードはこれまで、一部の小売業や流通業の人しか使って来ませんでした。日本に入ってきてからも40年間、ずっと同じ使われ方です。バーコードの利用を消費者にも開放したい。社内でのこのサービスとしての考え方を、『バーコード2.0』とうたっています。」

沖縄からアジア、ゆくゆくは世界へ。

Payke

 「『Payke』のユーザーは、今のところ中国(40%)、台湾(30%)、日本(20%)、あとのシンガポール、マレーシア(10%)が占めています。沖縄でのローカルモデルをかっちり作って、これを国内の他地域での展開や海外での事業展開を考えています。今でこそ『爆買い』などで知られているように、訪日外国人は年間2000万人規模の市場として捉えられていますが、全世界での外国人観光客は年間12億人と、訪日外国人市場のおよそ60倍もありますからね。」

 沖縄での実績をもとに、様々な展開を考えている。設立して間も無いが、既に東京に営業所を構えているという。ここでの主な取引先は、大手食品メーカーなどのナショナルブランドだ。一つの商品に対し、大元(メーカー)を抑えてしまえば、日本全国に展開できるという考えだ。

 「『Payke』のアプリに関していうと、ノンプロモーションです。ある台湾の方がSNSなどで『Payke』についての紹介をしていただいてそこから利用者が増えるなど、プロモーション無しにユーザーが増えていて有難いです。他にもパートーナー企業と連携し、お互いに送客するなど、(広告なしでも)色々と知恵を絞っています。」

 「Payke」の強みはダウンロード率が80%とダントツに高い事だ。ユーザーを「App Store」や「Googleplay」などのストアへと、いかに誘導するかが勝負だという。

 「沖縄のローカル物産商品データをここまで包括的にデータ化したのはウチだけです。あのGoogleですら持っていないです。あとはこれをどの地域に展開するか、ですね。また、『Payke』では「売れた商品」ではなく、ユーザーが手に取った商品の履歴が残ります。これを『興味指数』と呼んでいます。手にはするけどなかなか売れなかったり、迷わずに買ってもらったりと、ユーザーの興味動向がわかります。この商品のどこをどうすればいいのか、興味指数で探る事ができるので、商品のプロモーションも展開していきたいですね。」

 最後に、今後の展開もお聞きした。
「まずはインバウンド向けに人気のある商品に徹底的に対応していく予定です。日本にくる外国人が対象です。次にその逆で、日本人が外国に行く際にも使えるように外国商品への対応を進めます。また、国内ユーザー向けにワインなどの薀蓄を語りたいような商品に対応していきたいです。専門家に紹介文を書いてもらったりすると、『高いけどそんなにいいなら買ってみようかな』とか。またはデザイナープロダクトの商品とか、『この商品のここが実はこうで‥』と感心したら欲しくなると思います。(商品は)実際にその専門家本人に説明してもらうといいのですが、難しいので。『Payke』を介してメーカーの想いとユーザーを結びつけたいですね。」

 創造力次第で使い道は様々、バーコードにはまだまだ宝物が潜んでいるようだ。

◎プロフィール
古田 奎輔 (ふるた けいすけ)
株式会社Payke(ペイク) 代表取締役CEO

東京都出身。幼少期は野球少年だったが、中学からはパソコンにのめり込む。次第に学業に魅力を感じず、私立成蹊高校に入学するも1年間で途中退学。 それから放浪の日々を送り、単身沖縄に移住。琉球大学に入学後、個人でEC事業を立ち上げ、開始1ヶ月で軌道に乗せる。沖縄県産品の貿易業や海外プロモーションに携わり、そのノウハウを活かし共同経営者とともに起業。2014年11月に株式会社Paykeを創立。同CEOに就任。

◎詳細
・公式サイト: http://payke.co.jp/
・Facebookページ:https://www.facebook.com/Payke.Japan/?fref=ts

 

インタビュー:城間勇之介
文:仲間公彦

琉球ジャーナル urumee Inc. - 2016/04/14